今回ご紹介する小説は2009年2月22日に発売された桜庭一樹さんの『砂糖菓子の弾丸は打ち抜けない』になります。
本屋さんで何かの特集で平積みされていて、気になったので読んでみました。
ということで、どのようなストーリーだったのかを感想を含めてご紹介いたします。
ストーリーとしてはとある田舎に芸能人の娘である美少女の海野藻屑が転入してきたことから始まります。
藻屑は美少女だったので、最初は周りからチヤホヤされていたのですが、一風変わった性格、言動が多く、徐々に孤立していきます。
主人公の山田なぎさも最初は藻屑に無関心だったのですが、接点が増えるたびに仲良くなっていきます。
そんな日々を過ごしているなかで、ある事件が起きてしまいました。
このストーリーはそんな少女たちの実弾を撃たなければ生きていけない世界で、偽り砂糖菓子の弾丸しか撃てない残酷さを描いたものになります。
内容としては重めでしたが、先が気になる展開でサクサクと読めましたね。
中学生である彼女たちは自分の世界をどうにか正当化して生きているというのが、悲しくも独特の世界観のある話になっていて惹き込まれる内容でした。
大人になると中学生の時にどう感じていたか忘れてしまうかもしれませんが、この本を読んで、無力だけど精一杯納得させて生きてきた気持ちを思い出してみるのもいいかもですね。
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet (角川文庫) [ 桜庭 一樹 ] 価格:616円 |
あらすじ
直木賞作家がおくる、暗黒の少女小説。
ある午後、あたしはひたすら山を登っていた。
そこにあるはずの、あってほしくない「あるもの」に出逢うために――
子供という絶望の季節を生き延びようとあがく魂を描く、直木賞作家の初期傑作。