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【BOOK】本当の多様性は実現可能なのか考えさせられる小説『正欲』の感想


今回ご紹介するのは「多様性と共生」をテーマに掲げた小説『正欲』になります。

LGBTQや社会的少数派の立場に立つ人々のストーリーになっていまして、想像すらしたことのない世界の話だったのですが、気になる展開が続き一気に読むことができました。

物語としては、マジョリティとマイノリティ、その中に存在するさらなる少数派の苦しみや疎外感を描き出しています。

現代社会において、多様性はファッションのように語られることが多い中、この小説は深い疑問を投げかけていますね。

我々は本当に多様性を理解しているのか?そして、多数派と少数派の境界は一体どこにあるのか?多様性を推し進める社会の風潮に疑問を投げかけつつ、共生を追求し続ける姿勢を描いています。

その中にはいろいろな人がいて、理解し合える人たちが支え合っていると知ると、本当の意味の多様性って実現できるのですかね。

考えさせられる一冊でした。

正欲 (新潮文庫) [ 朝井 リョウ ]

価格:935円
(2023/10/30 00:52時点)
感想(5件)

あらすじ

あってはならない感情なんて、この世にない。 それはつまり、いてはいけない人間なんて、この世にいないということだ。

息子が不登校になった検事・啓喜。
初めての恋に気づいた女子大生・八重子。
ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。
ある人物の事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり合う。

しかしその繋がりは、"多様性を尊重する時代"にとって、
ひどく不都合なものだった――。

「自分が想像できる"多様性"だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな」

これは共感を呼ぶ傑作か?
目を背けたくなる問題作か?

作家生活10周年記念作品・黒版。
あなたの想像力の外側を行く、気迫の書下ろし長篇。

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