今回ご紹介する本は現在の世界のインフレ、そして日本のインフレの実情がわかる『世界インフレの謎』になります。
以前ご紹介させていただいた『物価とは何か』と似たような内容にはなるのですが、インフレに特化している点と、『物価とは何か』よりかは読みやすいことが異なっているのではないかなと感じています。
最近ニュースでも取り上げられることが多いインフレについて知りたくはないですか?
そんな方にぜひ読んでいただきたい本になります。
では、さっそくご紹介させていただきます。
まずはみなさん、2022年から2023年の間でかなり物価が上がっている(インフレになっている)と感じますよね。
その原因が何かわかっていますでしょうか。
大抵の方がロシア・ウクライナの戦争でしょ?と考えているかと思います。
がしかし、これが違うのです。
インフレはこの戦争が起きる前から始まっていたのです。
その前からとなると、そう。新型コロナウイルスのパンデミックなんです。
この出来事をきっかけに消費者の行動だけでなく、労働者・企業側の行動も変わることにより大きなインフレの波が発生しているのです。
そしてこのパンデミックが治ったとしてもこの起きた変化は戻らないと言われています。
この辺の詳しい理由が本書で紹介されていますよ。
また、日本のデフレ・インフレの問題についても触れられています。
デフレ・インフレのどちらも問題なのですけれど、日本はずっとデフレ問題を解決できていないので、未曾有の困難にぶつかっているのです。
日々生活していてそんな認識はないのですが、それがきっとまずいのですよね。
と、こんな感じの内容がデータに基づいてしっかりと語られているので、物価・インフレについてかなり詳しくなることができるおすすめの一冊。
興味のある方は是非読んでみてくださいね。
価格:990円 |
価格:935円 |
あらすじ
ウクライナの戦争はその原因ではないことは、データがはっきりと示している。
では真犯人は……?
元日銀マンの物価理論トップランナー、異例のヒット『物価とは何か』の著者が、問題の核心を徹底考察する緊急出版!
なぜ急にインフレがはじまったのか?
だれも予想できなかったのか?
――経済学者も中央銀行も読み間違えた!
ウクライナ戦争は原因ではない?
――データが語る「意外な事実」
米欧のインフレ対策は成功する?
――物価制御「伝家の宝刀」が無効になった!
慢性デフレの日本はどうなる?
――「2つの病」に苦しむ日本には、特別な処方箋が必要だ!
本書の「謎解き」は、世界経済が大きく動くダイナミズムを描くのみならず、
日本がきわめて重大な岐路に立たされていることをも明らかにし、私たちに大きな問いかけを突きつける――
前著よりさらにわかりやすくなった、第一人者による待望の最新論考!
目次
第1章 なぜ世界はインフレになったのか――大きな誤解と2つの謎
1.世界インフレの逆襲
2.インフレの原因は戦争ではない
3.真犯人はパンデミック?
4.より大きな、深刻な謎
5.変化しつつある経済のメカニズム
第2章 ウイルスはいかにして世界経済と経済学者を翻弄したか
1.人災と天災
2.何が経済被害を生み出すのか――経済学者が読み違えたもの
3.情報と恐怖――世界に伝播したもの
4.そしてインフレがやってきた
第3章 「後遺症」としての世界インフレ
1.世界は変わりつつある
2.中央銀行はいかにしてインフレを制御できるようになったか
3.見落とされていたファクター
4.「サービス経済化」トレンドの反転――消費者の行動変容
5.もう職場へは戻らない――労働者の行動変容
6.脱グローバル化――企業の行動変容
7.「3つの後遺症」がもたらす「新たな価格体系」への移行
第4章 日本だけが苦しむ「2つの病」――デフレという慢性病と急性インフレ
1.取り残された日本
2.デフレという「慢性病」
3.なぜデフレは日本に根づいてしまったのか
4.変化の兆しと2つのシナリオ
5.コラム:「安いニッポン」現象
第5章 世界はインフレとどう闘うのか
1.米欧の中央銀行が直面する矛盾と限界
2.賃金・物価スパイラルへの懸念と「賃金凍結」
3.日本版賃金・物価スパイラル 116
参考文献
図表出典一覧