今回ご紹介するのはメフィスト賞に選ばれたことがあるミステリー小説『NO推理、NO探偵？』になります。
タイトルだけみるとミステリー小説なのに推理しないの？と疑問を持つかと思いますが、推理なしで話が進んでいくんですよね。
事の発端は名探偵のあいちゃんが催眠術によって推理ができなくなるところから始まります。
探偵としてはもはや役に立たないのではないかとなるのですが、助手役のユウはそんなあいちゃんをサポートして推理なしでも事件を解決していくのです。
キャラの濃い2人の女子高生が日常の事件を解き明かしていく、そんな読みやすい温かいストーリーになっていました。
がしかし、最後まで読むとそんな仕掛けがあったんか？と読み返したくなる事間違いなしなのです。
以下、ネタバレしないように記載していますがネタバレしているかもしれないので、読もうと思っている方は見ないでくださいね。
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この小説はラノベのような読みやすさと緩い展開が続いていくのですが、最後の最後に読者への挑戦状があります。
それは、推理なしで解決してきた事件が、推理をすればより簡単に結論に辿り着けるというものなのです。
つまり、この小説を読んでいるガチ勢の方々には読んでいる最中に謎が解けてしまうのですよね。
もちろん私は最後までしっかりと楽しんで読ませていただきました。
また、この小説では読者側の視点を考慮したセリフや状況説明が出てきます。
いわゆるメタ的なやつですね。
それも考慮して謎解きが展開されていく一風変わった仕掛けもあります。
今まで結構な数のミステリー小説を読んできましたが、こんな斬新なタイプは初めてだったので、とても楽しく読めました。
気になる方はぜひ購入してみてくださいね。
あらすじ
メフィスト賞史上最大の問題作!!私はユウ。
女子高生探偵・アイちゃんの助手兼熱烈な応援団だ。
けれど、我らがアイドルは推理とかいうしちめんどくさい小話が大好きで飛び道具、掟破り上等の今の本格ミステリ界ではいまいちパッとしない。
決めた! 私がアイちゃんをサポートして超メジャーな名探偵に育てる! そのためには……ねえ。「推理ってべつにいらなくない――?」。
NO推理探偵VS.絶対予測不可能な真犯人、本格ミステリの未来を賭けた死闘の幕が上がる!
