『増加博士の事件簿』は、数々の奇妙なダイイング・メッセージと不可能犯罪が詰まったショートショート形式のミステリー。巨漢の名探偵・増加博士と、痩身の羽鳥警部の凸凹コンビが、謎めいた事件に挑みます。半分に千切られたトランプや血染めの五芒星、口の中の割れた茶碗など、不可解な証拠品が次々に登場し、読者も一緒に頭をひねる楽しさが味わえます。
サクッと読める手軽さが魅力
各エピソードは短編で構成されており、隙間時間で楽しむのに最適です。1つの事件が短時間で展開するため、通勤中や休憩時間にサクッと読めるのは大きな魅力。トリックや謎解きが詰まっていて、「頭脳刺激」系ミステリーが好きな方にぴったりです。加えて、ウンチクやユーモアも散りばめられており、軽快な読み心地が楽しめます。
推理に納得できない展開が多いのが残念
しかし、問題点も少なくありません。特に、増加博士の推理が納得しがたい場面が多々あります。「本当にそれで解決するの?」と思うような唐突な展開や、事件の解決があまりに単純すぎて拍子抜けすることも。伏線や論理の積み上げが弱く、推理が強引に感じられる箇所もあるため、推理小説において理詰めの解決を期待する読者には物足りなさを感じるかもしれません。
驚きの少ないストーリー展開
さらに、どんでん返しや驚くような展開が少なく、ミステリーとしてのスリルや緊張感もやや欠ける印象です。事件そのものが短く終わるため、深い感情移入や予想外の結末を期待する読者には少々物足りない部分もあるでしょう。
まとめ
『増加博士の事件簿』は、短時間でサクッと読めて、軽く頭を使いたい読者にぴったりのミステリーです。しかし、推理の過程や解決に納得できない点が多いことや、ストーリー展開の深みが欠けるため、緻密な謎解きや驚きの展開を期待して読むと少し肩透かしを感じるかもしれません。気軽に楽しむ頭脳刺激系ミステリーとしてはおすすめです。
価格:770円 |
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